時差ボケによって起こる症状
海外旅行を行うと8割以上の人々が時差ボケ悩まされます。
そもそも時差ボケというのは、ジェット機など速度のある乗り物で5時間以上の時差がある場所への移動によって到着地の生活時間と拠点からの体感時間に大きなズレが生じてしまい。身体機能が一時的な混乱を示すことをさします。
<時差ボケの主な症状>
・不眠、仮眠などの睡眠障害
・日中に消えない眠気
・思考や精神の能力低下
・だるさ、疲労感
・食欲不振
・頭痛や頭が重く感じたりする
時差ボケが起きる仕組みとは
生物時計、体内時計と言われる概日リズム(サーカディアン・リズム)は、人によって若干の差はありますが、概ね24時間と少し〜25時間周期で動いていて、人間の生理現象を司っています。
これは地球時間よりも若干長いリズムとなっていますが、太陽の光や24時間を基準にした生活時間といった体外的な要因が重なって、ちょうど24時間となるように調整が入っているのです。
こうしたことから、日付変更線を跨ぎ長距離を高速度で移動することによって、太陽の光が当たる時間や旅先における生活時間などが、出発した時から到着するまでの自分の実感とズレて感じられてしまうのです。
こうして体内と体外のリズムに大きな差が生まれてしまうことで、身体機能の不調や低下を招くのです。
若者であればあるほど時差ボケは早く治る
同じ条件、環境で数日過ごすことで、サーカディアンリズムは現地のものに適応し、睡眠や自律神経の不調によって起こってしまう時差ボケは治ります。
ズレの修正や現地時間への適応は一般的に若年層であればあるほど効率よく行われ、加齢とともに適応能力は低下してしまうそうです。
<時差ボケが解消されるまでにかかる時間>
・若年者:睡眠障害・自律神経系の不調、ともにおよそ1週間
・高齢者:睡眠の不調はおよそ10日間、自律神経系の不調はおよそ1週間
西行きより東行きがより重い時差ボケを招く
時差ボケは、1日の時間が長くなっていく西行きよりも、1日の時間が短くなる東行きの移動の方が、よりひどくなる傾向があるようです。
また、普段規律正しく、規則的な生活をしている人ほど、時差ボケというイレギュラーが重く感じられるのだそうです。
時差ボケはこう解消するといい
時差ボケになった時の具体的な対処法を以下に紹介します。
<時差ボケへの対処法>
① 旅行をする前に睡眠は十分にとっておく
睡眠不足であるほど、時差による睡眠障害が重くなるので、旅行前には睡眠をしっかり取りましょう。
② 東行きの旅の際は、寝る時間、起きる時間を早めましょう
サーカディアンリズムが前進する東行きの旅行の前には、寝る時間、起きる時間を少しだけ早めにして、起床したら30分ほど太陽の光をしっかり浴びましょう。昼食、夕食の時間も早めるとより効果的。
③ 逆に、西行きの旅の前は、寝る時間、起きる時間を遅めにする
サーカディアンリズムが後ろ向きになる西行きの旅の場合は、逆に寝る時間、起きる時間、食事の時間を全般的に遅くします。夕食後、2,500ルクス以上の明るい光を浴びて、睡眠時間を遅くすることは特に効果的です。ただ、全く眠れなくなるとそれはそれで不調の元。入眠直前はやめましょう。
④ 旅行期間中は、現地時間に合わせた生活リズムを
旅行中は時差ボケが多少あっても、なるべく早めに現地の時間リズムに体をならすことが重要です。現地についたら、すぐに現地に適用できるように生活時間を現地に合わせましょう。
<飛行機の選び方>
・飛行機内で眠れない人の場合
現地に夕方到着する便を選びましょう。現地に到着したら、夕食に消化のいいものを食べて、早めに寝ましょう。
夕方到着する飛行機がおすすめです。到着後は夕食に消化のよいものを食べ、早めに就寝を。
・飛行機内で普通に眠れる人の場合
朝に到着する便がいいでしょう。朝飛行機で目を覚まし、到着したらすぐさま、現地時間に合わせた生活をしましょう。
万が一よく眠れなかったとしても、現地に到着後はできる限り眠ることなく、日中はなるべく明るく、日光がよく届くところで生活しましょう。もし日中の眠気がすごい場合は、現地時間14時前後に、15分間ほど仮眠を取りましょう。
そうした工夫を凝らしても夜に眠れないといった場合は、寝る前に程よい運動や入浴をすることで体を温めて、血行を良くし、リラックスした状態で床に就くといいでしょう。
現地到着後運転する場合は注意すべし
サーカディアンリズムの調整は、1〜2時間ほどの調整でも数日間かかってしまうといいます。特に、現地に到着した初日は大きな影響が出やすいので、ミスを招く可能性もあります。現地に着いてすぐ車を運転するとか、スキューバダイビングなどを行う際は十二分に注意を怠らないようにしましょう。
また、帰国したら行きの時とは真逆の方法でサーカディアンリズムを再び合わせていく必要があります。あまりにも時差ボケがの症状が重い場合は。メラトニン剤、短時間睡眠薬などを服用するといい場合もあるので、通院して医師に相談してみましょう。